ウルトラアイが教えてくれたこと
2005.9.27 upload

NHKの「ウルトラ アイ」という番組で、面白い実験が紹介されたのを覚えています。何十年も瞑想を積まれた禅僧と山川静夫アナウンサーの脳波が、おかれた状況に応じてどのように変化するのかを確かめる実験でした。

まず、脳波計のセンサーを頭に装着した二人が、半眼のままで心を落ち着けようとします。しばらくすると二人の脳波はアルファ波優勢になりました。

そのときです、二人の目の前に蛇の模型が投げ込まれたのです。その瞬間、二人の脳波は同じように大きく乱れました。しかし、違うのはこの次です。禅僧の脳波はすぐに元通りのアルファ波優勢になったのに対し、山川アナウンサーの脳波はしばらくの間乱れ続けました。

脳波が安定するのを待って今度は、水着姿の若い女性が二人の目の前に座りました。このときも蛇の場合と同じように、二人の脳波が大きく乱れた後、禅僧の脳波はすぐにアルファ波優勢で安定したのに対し、山川アナウンサーは笑いだすのを必死で我慢している様子で、当然脳波はしばらくの間乱れ続けました。

このような結果からも分かるように、二人の決定的な違いは、「知覚した情報に囚われてしまう」か、「必要の無い情報はさっと受け流してしまえる」かなのです。禅僧のような能力が開発されると、「他の事が気になって勉強に身が入らない」とか、「どうしようもない不安感に襲われ続ける」などというような事が無くなるのです。

NHKで放映された「ウルトラアイ」という番組は、科学系バラエティ番組の走りで、それまでの科学番組に対するイメージを一新するものでした。
1978年にスタートした当時、私は中学生でした。“脳波”という言葉を聞いたのは、恐らくこのときが初めてだったと思います。同番組は、科学心をくすぐる沢山の魅力的な洞察を提供してくれました。



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