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「セルシネのブログ『人生成功 四方山辻説法。』

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弊社代表和田知浩が、折に触れて気ままに「人生成功」に関するメッセージを投稿しています。


2014年のバックナンバー

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SELSYNE 脳波測定を依頼する
詳 細
精神統制訓練/環境・グッズ評価/番組制作/施術プロモート 等々
企業の開発 大学の研究 学校の部活動 趣味のサークル 個人で 10万円/日+税


vol.257 『新サービス「商品/サービスのプロモーション効果を高めるご提案」を発想させてくれたユーザーからのご一報。』 2014.11.30


今月27日、嬉しいメールが届いた。高橋龍榮先生からの研究報告だ。

りゅうえい治療院代表の高橋先生から初めてメールをいただいたのが2010年の3月で、脳波測定器「FM-717」の購入に関する問い合わせだった。

脳卒中発症後のリハビリテーションでは、「身体が動かないという脳の思い込みを解除する」や「身体が動いていたときの記憶を呼び起こす」という考え方で鍼治療「活脳鍼」を施術されている。

高橋先生との出会いを、当時本ブログに「運動機能麻痺のリハビリ医療へ、鍼灸界からのイノベーション。」と題して投稿している。

改めて「FM-717」を用いて活脳鍼効果のエビデンスを取りたいからスタッフに操作方法等をレクチャーして欲しい、とお呼びが掛かったのが今から2年前だ。

そのときの調査結果が「活脳鍼の認知症患者に対する短期記憶に及ぼす影響」というタイトルで、今回いただいたメールに添付されていた。「長谷川式簡易知能評価スケールプラスマイナス」と共に、脳波の変化が示されている。

同じものがウェブサイトにもアップされている。

活脳鍼によって記憶力が改善し、脳波もα2(ミッドα波)の優勢度が増しているのが分かる。

ただ、ネット上にはこのような広告が溢れている。弊社から脳波測定器を購入若しくはレンタルして、測定結果として掲載されているものも目にする。しかし、データを改ざんしているのが明かなものもある。

脳波に携わるものとしてこの分野を健全に保ちたいのは山々だが、一つひとつに是正を求めるまでのモチベーションは無い。

弊社名(セルシネ・エイム研究所)を無断で付したインチキ広告の主に削除を求めるのが精々だ。案外素直に応じてくれるので、その点では救いがある。

NHKが番組で“脳波”を偽った際には、本ブログに「NHK Eテレ『テストの花道』〜集中力を支配する!〜(4.29OA)。脳波解説の捏造にもの申す。』と題して投稿した。

撮影現場でディレクターと丁々発止したこともある。ブログ「やはり女子アナは聡明なのか?。TBS田中みな実アナとフジテレビ松尾翠アナの脳波を測定して。」

このような取り組みを認めて下さってか、弱小たった一人のセルシネ・エイム研究所に、個人は元より大学や企業の研究機関から脳波測定に関するオファーをいただけるようになった。

今回、高橋先生から一報を頂いたことで一つのサービスを思いついた。

「弊社が脳波を測定し解析したものを弊社のウェブサイトに掲載する」サービスである。

もちろん、お客様がご希望の場合のみだ。

これまでにも、協同プロジェクトや気律脳波の達人「ザ・マスター」検定に合格されたケースなどの脳波を紹介してきたが、今回のサービスは、脳波測定器のレンタルにオプションで「オペレータの派遣」と「アフターサポート」を選択された場合に適用する。

一昨日、脳波測定器レンタル紹介ページに、この新サービス「商品/サービスのプロモーション効果を高めるご提案」を掲載した。

セルシネが培ってきた“信頼”をお客様に還元し、共に目的達成できれば幸いである。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.256 『脳波は脳の意識集中状態を表す。それ以上でもそれ以下でも無い。』 2014.11.26


第4期−気律脳波の達人「ザ・マスター」検定で収集した脳波の解析を一通り終えた。残念ながら合格者は出なかったが、最大値が39.7fsμVという高いアルファ波を示す受検者もいて収穫は多かった。
気律脳波の達人「ザ・マスター」認定証授与式の横断幕と賞状。
気律脳波の達人認定基準はとても高く設定している。そのため、明らかに能力が高いと思われる受検者がギリギリのところで不合格となるケースもある。そのときの残念そうな表情に真摯さを感じると共に、ちょっと申し訳ない気持ちにもなる。

一般的には、認定基準該当脳波(0.5Hz刻みの周波数)の強さは精々10fsμV代であり、20fsμV以上出る人は強い集中力を持っておられると評価できる。以前にもこのブログに投稿したことがあるが、昔、新人研修で二十数fsμVを出したOLの、事務処理速度とその正確さは群を抜いていた。

認定基準該当脳波が強く出るということは、“落ち着いた意識集中”状態であるということだ。

一般的な人の脳波と座禅歴5年の男性、そしてヨーギニー伊藤玲子先生の脳波をグナヨーガ紹介ページに掲載している。
(「グナヨーガ」は、アイアンドオン社の登録商標です。)

私が気律脳波の達人を探す目的は、サポーティング・バイオフィードバック訓練のノウハウを構築するためだ。ビデオ 第1回「気律脳波の達人『ザ・マスター』認定証授与式」とインタビューで述べている通りである。

脳波を測定することにより、意識の“集中”状態が分かる。どのように、そしてどのくらい集中しているかだ。・・・眠ることでさえ“集中”である。

理想の生き方、理想の人間像を実現している人のことを、私は「コルパー」と呼んでいる。

コルパーに成り、コルパーであり続けるためには、“心構え”の確立が重要である。人は結局、自分の心構えが作る現実を生きることになるのだから。

ご好評をいただいているメンタルセット/イメージトレーニング支援音響「SSDS-GAM『実現』」のダウンロード版を先日発売した。

SSDS-GAM「実現」は、あなたの脳波をアルファ波に誘導し、心構えの種を植え付けていく。

アルファモードになる、アルファゾーンに入るということは、イメージという種が脳に根を張って大きく育つための環境作りなのだ。

どんなに素晴らしいイメージを植え付けても、脳内環境が痩せていては実にならない。すなわち現実化は期待できない。

「正しい脳内環境作り」と「正しい種の植え込み」は、コルパーに成るための重要な条件である。どちらが欠けてもうまくいかない。たとえどちらかの条件が大変優秀でも、もう一方が未熟ならば大したことはない。

逆に、脳波が認定基準に達しなくても、どちらの条件もそこそこあれば大いに人生を謳歌できるのである。

気律脳波の達人検定とコルパー化支援を展開する中で、このことを改めて述べておきたいと思った。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.255 『脳波センサーの配置「10-20法」の図をリニューアルしたことのご報告に代えて。』 2014.10.11


弊社が発売したヒット商品の一つに万能脳波センサー「エンフレック」というものがある。

弊社が販売している各種脳波測定器はバイオフィードバック訓練を行うことを目的に開発されている。よって、付属の脳波センサーで測定できる部位は額の左右どちらか一カ所だけだ。

前額部のα波を意思によって増強できるように訓練する。この能力を体得すると、ビジネスやスポーツ、あるいは勉学などの様々な場面でハイパフォーマンスを発揮できるようになる。

このような訓練には、意思や創造性を司る前頭前野(額部)の脳波をフィードバックすることが適当だからだ。

しかし、脳波測定器の購入レンタル脳波測定サービスなどで弊社をご利用下さるユーザーやお客様は、バイオフィードバック訓練よりも研究を目的とされる場合が圧倒的に多い。

研究者からは、前頭前野だけではなく様々な部位を測りたいという要望がある。高性能簡易型脳波測定器でそのニーズに応えたのがエンフレックである。さらに、瞬きや筋電の影響を受けにくい部位にセンサーを当てれば、開眼時や軽い運動時の脳波も測定することができる。お薦めの部位はFzである。

測定部位とそれを表す記号は、「10-20法」として国際的に統一されている。その図を先月リニューアルしてNOWHADASに掲載した。エンフレック共々、脳波探究の一助になれば幸いである。
「10-20法」による脳波センサー配置図


脳波を指標としたバイオフィードバック訓練(ニューロフィードバック訓練)や脳活動の研究では、上述の「測定部位」の他に、脳波波形の評価方法も当然ながら重要である。なぜこんな当たり前のことを言うのか・・・、それには理由がある。

実際にFp部位の脳波を測るとすぐに分かることだが、同じ閉眼安静時でも、「リラックスしているとき」と「何か気掛かりなことがあるとき」では波形が違うのが普通である。前者ではα波が優勢で、後者ではβ波が優勢である。

安静状態から作業に移ったときにも、優勢脳波はα波からβ波に変わる。

この事実から安直に「β波が脳の活性と集中」の脳波であるとするニューロフィードバック装置が4,5年前から目につくようになった。多くは指標としている脳波(周波数)を開示せずに販売しているからたちが悪い。

このブログでも以前から警鐘を鳴らしているが、集中力訓練の指標にβ波を使ってしまうと益々凡人になってしまう。β波は凡人が集中したときに優勢となる脳波なのである。

よって、凡人(一般の人)が利用するマンマシンインターフェース(脳波でPCや車いすを操作したりするシステム)に常在脳波(定常波)を利用するなら、β波を用いるのも理に適っている。

しかし・・・

α波が自己統制訓練の指標に用いられてかれこれ50年になる。日系アメリカ人のジョー・カミヤ氏らの「禅僧の瞑想脳波研究」などを切っ掛けに発展してきた。私が20代の頃、同氏が東京女子医大でバイオフィードバック訓練に関する講演をされたのを聴講し感銘を受けたのを今でも鮮明に覚えている。

弊社が主宰するファインブレイン研究会が測定してきた精神コントロールの達人達の脳波を「脳波研究・・・本物は脳波に表れる!」及び関連ページに紹介しているので参考にして欲しい。達人達の脳波は、単にα波優勢ということに留まらず、そのボルテージが非常に強い。

この本流の発展を、最近のニューロフィードバック装置の一部が台無しにしているのだ。もちろん、本当に“台無し”になってしまうことはないが。

物事に集中するとき、凡人はβ波が優勢となり、達人はα波が優勢となる。だから、凡人が集中力訓練をするなら、α波を指標とすべきなのだ。

もしかすると、あなたは“リラックス”と“集中”がα波という一つの指標で語られることに納得がいかないかもしれないので、以下に“集中”の定義めいたことを述べておきたいと思う。

測定部位は前頭前野に絞ろう。“ヒトを人たらしめる”働きがこの部位で行われているからだ。

莫大な量とスピードをもって処理される脳内情報のほんの一部が前頭前野に流れ込んでくる。その情報を以て人は環境を認識し自ら(無意識)の判断も理解する。逆に、前頭前野の方から情報や行動の方向性をリクエストする働きもある。

ここで強調しておきたいのは、「情報量もその処理スピードも圧倒的に無意識の領域が勝っている」ということだ。

顕在意識(前頭前野)と潜在意識の比較を私はよく乗馬に喩えて説明する。セミナービデオ「成功する自己操縦法」で縁のあった人もいるだろう。

顕在意識が騎手で、潜在意識が馬である。

大きな力とスピードと野生の勘を持つ馬に委ね、騎手はそれを見守りつつも方向性を指し示す。そんな「人馬一体」の境地は最高に気持ちが良く、成果も大きい。

このような状態のとき、前頭前野はα波が強い優勢になっている。弱い優勢の単なるリラックスではなく、強い優勢の弛緩集中状態だ。

馬を手なずけることもできずに、あるいは馬の意図を理解しようともせずに抗っても、騎手が馬に継続的に勝つことは絶対にない。顕在意識と潜在意識の関係も然りである。

ところが凡人は、潜在意識に委ねることを忘れ、顕在意識だけで物事を処理しようとする。そんな凡人の前頭前野はβ波で満たされている。

本来の「意識集中」とは、顕在意識が潜在意識に抗って(一見)頑張っている状態ではなく、人馬一体の境地を実現している状態なのである。


顕在意識が緩んでいるときでも、脳全体では重要で大きな活動をしていることがある。否、むしろそのような場合の方が多い。

顕在意識が課題について徹底的に考え抜いた後、意識の緊張を抜いてぼんやりしているときに潜在意識がその問題を解いて閃かせる。こんな例は古今東西枚挙に遑がない。

瞑想や閃きの他にも、記憶の想起や高速暗算、効果的なイメージトレーニング、自己治癒力の活性化などでα波が重要なことはよく知られている。

脳が活動するためにはブドウ糖と酸素が必要であり、それを運ぶのが血液である。よって、課題に取り組んでいるときの血流が盛んな部位を特定できれば、脳機能の役割部位を知ることができる。

この測定に用いられる装置がfMRIや光トポグラフィーである。とても分かりやすく視覚化できるので、脳研究の発展に大きな功績を残してきている。

fMRIを使った一連の研究の中で、マーカス・レイクル氏(ワシントン大学セントルイス校の教授)らは興味深い事実を発見した。それは、「被験者が何らかの課題に取り組んでいるときではなく、逆に“ぼんやり”しているときに活性化する部位がある」ということだ。

このような部位を、レイクル氏は“デフォルトモードネットワーク”(Default Mode Network)と名付けた。この論文が発表されて以降、fMRIを使った研究においても“ぼんやり”しているときの脳内ネットワーク機構の研究が盛んに行われるようになり、多くの知見が確立されてきている。

レイクル氏が名付けたデフォルトモードネットワークは、脳の基底時(ぼんやりしているとき)に機能する自律的な一つのネットワークを指しているが、現在は他にも様々なニューラルネットワークが発見されている。

6月22日にNHK Eテレ「サイエンスZERO―“ぼんやり”に潜む謎の脳活動―」が放送され、大きな話題を呼んだ。NHKオンデマンドで番組を視聴できる。
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2014055528SA000/

同番組で紹介された脳に関するその他の関連情報を以下に記しておく。

1.人が一日に消費するエネルギーは2000kcal。
2.400kcal(全体の20%)を脳が消費している。脳の重さは体重の2〜3%なのに。
3.400kcalはご飯大盛り一膳分。
4.意識活動に使うエネルギーは、脳全体が使うエネルギーの5%。
5.脳細胞の維持と修復に使うエネルギーは、同じく20%。

残りの75%の脳内エネルギーが脳のどんな働きに使われているのか、エネルギー消費を手掛かりにその働きが見えてくれば、瞑想体験や閃き、記憶の想起、高速暗算、効果的なイメージトレーニング、自己治癒力の活性、あるいは精神疾患機構などが更に詳しく解明されるだろう。

顕在意識が一見ぼんやりしているとき、脳はデフォルトモードネットワーク様の重要な働きをしている。Fp等部位の脳波でいえばα波優勢だ。この状態をαモードと呼ぶ。

繰り返すが、人馬一体となって取り組んでいるときはとても気持ちよく充実している。当然成果も大きい。このときの顕在意識は自分を見守り、ゆるく方向性を指し示している。もちろん、無意識の意図に耳を傾けながらである。

この在り方は、自律訓練法でいうところの“受動的注意集中”と非常によく似ている。


意識状態を脳波で判定する場合は、測定する部位、測定した波形の振幅(強さ)や波長(周波数)の他にも、基線からの傾き変動や事象関連電位などが手掛かりとなる。また、波形が律動的(正弦波のような波)かも重要な判定材料である。

αモード時の脳波波形は律動性が非常に高い。被験者が人馬一体、受動的注意集中を実現していると判断できる。

しかし、この律動性はαモードだけではないことも分かってきている。ファインブレイン研究会で精神コントロールの達人(気律脳波の達人)の脳波を測定すると、α波ではなくスローγ波(具体的には32Hz付近)でこの律動性が現れる達人がいるのだ。

α波の3分の1という短い波長で律動できるということは、強い自己統制能力を有し、かつ情報処理能力も高い状態であると思われる。


トータルセッションでクライアントの目標達成をサポートする際、クライアントのJRをしっかりと支援することを私は心掛ける。

事前に十分なJRを積んだクライアントは、本番で人馬一体の境地となって成功する。

JRの必要がないのはごく僅かな天才だけだ。たとえ天才でなくとも、JRさえ怠らなければ天才同様のパフォーマンスを発揮できる。潜在能力は同じようなものなのだから・・・

JRとは、“準備”と“練習”である。

天才は、そしてJRを積んだ人は、本番であれこれ考えることはしない。

冗文を綴ってきたが、ご研究の端緒になれば幸いである。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.254 『脳波は宝の山。』 2014.9.1


一年間務めたマンション管理組合の理事長職を先月24日の総会で無事終了し、今はホッとしている。後は、今月開催される理事会に参加して引き継いだら晴れて放免だ。

先月6日にオンエアされた日テレ「ナカイの窓」(特番)の件をブログに投稿するのが遅れていたが、今やっとこうして稿を起こした

この件で初めてご相談を頂いたのが7月12日である。2年前の日テレ「トリックハンター」でカンニング竹山さんと藤田紀子さんの脳波を測定したとき、そのスタジオにいたというAD氏からの電話だった。

今回は特番のドッキリで、何も知らずに眠っているトータルテンボスの藤田君を100人のタレントが見つめるスタジオのど真ん中で起こすというもので、このドッキリを成功させるために藤田君がぐっすりと眠っているタイミングでスタジオに運ぶために脳波を測りたいと。

4日後にはディレクターと共に来訪下さり、ドッキリを仕掛ける方法や睡眠深度の判定方法など諸々を打ち合わせた。

睡眠深度の判定方法は、弊社ウェブサイト「終夜睡眠脳波の分布グラフ例」に紹介している通りである。高性能簡易脳波測定器BrainPro「FM-929」脳波解析PCソフト「パルラックスF」を利用する。

収録はご来訪頂いた2日後だった。日テレの麹町スタジオに入り脳波解析システムのセッティングと最終打ち合わせ。その後汐留の日テレ大屋根広場に移動して、ドッキリを仕掛けるためのウソ八百脳波解説を収録。

と、いつものようにOA画像を入れながら振り返りたいのだが、番組からストップが掛かった。いつもは大目に見てもらうのだが・・・。こういうストップが掛かる場合は、後に番組のDVDが発売されることが多い。本当のところは知る由も無いが、要請は承諾するしかない。

汐留の大屋根広場で収録した後は麹町に戻り、徹夜明けの藤田君を確実に眠らせるために居酒屋へ、大村君は「ナカイの窓」収録のスタジオへ、私はスタジオ横の脳波測定室で待機した。

数時間後に、ほろ酔い気分を少し越えた藤田君が戻ってきた。そのままストレッチャーに寝かせて脳波センサーを装着した。ここからは真剣な脳波測定だ。深い睡眠であるノンレム睡眠を見極めなければならない。

徹夜と飲酒というちょっと邪道な眠りへの誘いであるため、睡眠脳波のサイクルがとても興味深い展開を見せた。通常ならα波優勢をしばらく継続した後に入眠していくのだが、今回は一気に深い眠りに入った。もうすぐにスタジオに移動させて寝起きドッキリをして欲しいほどだった。

しかしそうは行かない。スタジオでは本筋の収録が行われている。この約3時間に渡る睡眠脳波の観察が、通常の終夜睡眠脳波の測定では見ることができない特徴を示したのだ。

本稿ではその概要すら述べることもできないが、私は興味津々で脳波を観察し続けた。

人の睡眠はいわゆる「90分サイクル」で深い睡眠と浅い睡眠を繰り返す。ただし、実際のサイクルには大きな揺らぎがある。ましてや今回の藤田君の眠りは「徹夜明け」と「ほろ酔いを少し越える程の飲酒」が大きく影響している。

スタジオ収録のタイミングで、ディレクターから睡眠状態の確認を求められた。私は、睡眠脳波の分布グラフをリアルタイムで表示するPC画面を指しながら、ノンレム睡眠中であることを解説した。OAの通りである。

100人のタレントと大勢のスタッフが関わりながら進むテレビの収録で睡眠状態を判定するのは大きなプレッシャーと緊張感があった。ストレッチャーごと無事に寝室を送り出した後にディレクターが握手の手を差し伸べてくれた。私は汗でびっしょりの手を拭いてから握手した。

長く緊張感を維持していた後の開放感は、大きな達成感をもたらしてくれた。

ストレッチャーに乗せられた藤田君がゆっくりゆっくりとスタジオに運び入れられた後、ディレクターが私をスタジオの隅に案内してくれた。OAされたあの寝起きドッキリの一部始終を生で見るというご褒美を下さったのだ。

このようなテレビ番組との相乗効果で、大学や企業との連携も益々広がってきている。脳波も奥が深い。単なる波形が、経験の目を通して見るとことによって宝の山となる。

感謝。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.253 『睡眠改善サプリの効果を終夜睡眠脳波の測定で検証。テレビ通販番組からのオファーにて。』 2014.7.23


福岡の某映像制作会社から初めてお電話を頂いたのが昨年の8月22日である。現在、スカパー!と一部地上波で放送されている睡眠改善サプリの通販番組制作に関する相談だった。被験者の終夜睡眠脳波を測定して、その効果を科学的に実証したいとのこと。

電話とメールで打ち合わせを重ね、11月初旬に福岡へ出向き、2名の終夜睡眠脳波を測定した。

被験者が眠る隣室で終夜睡眠脳波を測定。1日目は被験者のご自宅で、2日目は旅館での実験となった。

この写真は2日目の実験風景で、隣の部屋で寝姿をモニターしながら脳波測定している様子である。

脳波解析に正確を期するために、睡眠中のイベントもメモしていく。

この後二人の被験者は睡眠改善サプリを一週間食された。

そして、睡眠の質に改善が見られるかを改めて脳波測定した。

私は東京に戻らなければならなかったので、脳波の測定方法は制作会社のスタッフにしっかりとレクチャーさせて頂いた。アフターの脳波測定データを受け取ったときはホッとした。とても綺麗な脳波が測定できていたから、これなら解析のしがいがあると。

終夜睡眠脳波の測定は、被験者にストレスを与えないためにセルシネ特製の脳波センサー「エンフレック」を用いる。これなら頭を締め付けられることも無く、10時間着けっ放しでも全然問題ない。ただ、電極ペーストで着けた脳波センサーが睡眠測定中に取れてしまうこともある。その時の対応が、初めての人にはちょっと難しいかなと心配していたのだ。

さすがは百戦錬磨のスタッフである。私の老婆心だった。

私が測定した2名のビフォー終夜睡眠脳波と、スタッフが測定して送ってくれたアフター終夜睡眠脳波のデータを分布グラフにしてプリントアウトしたのがこれである。
終夜睡眠脳波の分布グラフをプリントアウトして比較解析。

深さやリズム等、睡眠の質の変化が一目瞭然だった。お二人とも睡眠がハッキリと改善されている。グラフの見方は、弊社ウェブサイト「終夜睡眠脳波の分布グラフ例」に掲載している通りである。

上京したクルーを我が家に迎え、終夜睡眠脳波を解析した結果を解説するシーンを撮影した。

その後も諸々のシーンを制作され、この程30分の通販番組が完成し放送されている。

広告主の株式会社毎日笑顔様から許可を頂いたので、放送されている画像からピックアップしてご紹介しよう。

今回検証した睡眠改善サプリは「酒粕酵素・琉球萱草」というものだ。
酒粕酵素・琉球萱草

お得な定期コースもある。
酒粕酵素・琉球萱草のお得な定期コース。

ブレイン博士が番組の進行役だ。
ブレイン博士。

私がビジネスで関わる人達の中にも、睡眠で悩んでいる人は多い。街頭調査でも不眠症の人は多いようである。
街頭インタビュー。眠るための対策は?

まず、そもそも“質の良い睡眠”とは・・・
質の良い睡眠と朝夜の関係。

睡眠/覚醒のリズムを整えるには・・・
一日1時間のずれが生じる。

その効果に思わず拝みましたと・・・
酒粕酵素・琉球萱草の効果に思わず拝みました。

管理栄養士のお墨付きも・・・
質の良い睡眠に必要な栄養素を解説する管理栄養士。

福岡2日目の終夜睡眠脳波の測定シーン。
終夜睡眠脳波を測定する和田知浩。

弊社特製脳波センサー「エンフレック」を装着。
エンフレックを装着する和田知浩。

測定スタート。
睡眠の質をチェック。

撮影クルーが上京して・・・
終夜睡眠脳波の分析結果を解説する和田知浩。

解析結果を基に・・・
終夜睡眠脳波の分析結果を解説する和田知浩2。

マイクロスリープ現象を指摘。
終夜睡眠脳波の分析結果を解説する和田知浩3。

ノンレム睡眠時になぜかα波が・・・
マイクロスリープ。

本当に素晴らしい改善が見られました。
終夜睡眠脳波の分析結果を解説する和田知浩4。

マイクロスリープが・・・。
睡眠改善サプリのビフォー/アフター。

意識もお休みになっていた・・・?
終夜睡眠脳波の分析結果を解説する和田知浩5。

深い睡眠であるはずの時にα波が断続的に強く出ている場合、本人は熟睡した感覚が持てないどころか、ずーっと目覚めていたという感覚になり、疲労感も大きい。

この睡眠改善サプリのご愛用者達は、脳波を測るまでもなく、その熟睡スッキリ効果に大満足のようである。
大満足の愛用者。

テレビ番組からオファーを頂いた脳波測定サービスも、本件で36本目となった。これまでの実績はテレビ番組協力紹介ページに掲載している。感謝!


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.252 『香りによる“スッキリ聡明度”の違いを脳波で判定。読売テレビ「かんさい情報ネットten」からのオファーにて。』 2014.5.24


先月23日に大阪の読売テレビから問い合わせを頂いた。「香りのリラクセーション効果を脳波で検証したい」と。

読売テレビは、4年前にブラックマヨネーズ(ブラマヨ。小杉竜一と吉田敬のお笑いコンビ)の「マヨブラジオ」という深夜のバラエティ番組で脳波測定のオファーを頂いたことがある。マヨブラジオという名称のテレビ番組だった。

二人がガチンコ対決するコーナーの「セクシー我慢対決」において、どちらがセクシー攻撃に平然としていられるかを脳波測定で判定した。この番組は面白かった・・・。今でも、セミナー会場などで上映すると大きな笑いが起こる番組の一つだ。

この時のオンエア画像を「NOWHADAS」の該当コーナーに掲載している。

ただその後は、何度か問い合わせを頂いたものの、遠方なこともあって正式なオファーには至っていなかった。

今回も、情報を提供するだけで、それ以上にはなかなか進めないだろうなーと思いながら遣り取りをしていた。

ところが、ゴールデンウィーク中に何カ所かの東京ロケを組まれたようで、撮影クルーが上京されての検証実験が実現した。

場所は、西新宿のノマドカフェ「Base Point」だ。
ノマドカフェ「Base Point」
今回の企画は、「母の日」にちなんで、花をプレゼントしたときの香り効果を検証しようというものだ。

オンエア画像をいつものように、脳波関連ポータルサイト「NOWHADAS」のテレビ番組で利用された例コーナーに13枚掲載した。

そもそも今回の企画は、故・鳥居鎮夫氏や蓬田勝之氏らの研究成果を拠り所としていた。

CNV(随伴陰性変動)と呼ばれる脳波の事象関連電位を観察して、被験者の予期反応的注意度を定量化するものだ。

CNVを簡単に言えば、例えば「ヨーイ」から「ドン」までの間の注意集中時に脳波の波形が陰性に変動していく現象であり、注意度が増すほどに変動も大きくなる。被験者のコンディションや関心度によってもその反応は変わってくるので、その環境における被験者の脳コンディションも推察できる訳だ。。

今回私が指標として用いた脳波は、常在脳波(α波やβ波など)と呼ばれるものである。

番組企画の内容に鑑み、今回は“スッキリ聡明度”を算出して、それぞれの香りを比較することにした。

まず、被験者役であるディレクターの閉眼安静時の脳波を基準脳波として測定した。それがこのグラフである。
かんさい情報ネットtenディレクターの脳波

素晴らしい・・・

脳波に素晴らしいも素晴らしくないも無いが、それでも思わず「素晴らしい」と言ってしまった。

こういう脳波バランスの人は、“頭の使い方”がいい。いい香りを嗅ぐまでもなく、とても聡明な脳コンディションだ。

ご本人は、「撮影スケジュールで焦っています」とおっしゃっていたが・・・

この基準脳波に続いて、バラ、ラベンダー、レモン、ドリアンを嗅いだときの脳波を測定していった。
バラの香りを嗅いだときの脳波

測定結果から、それぞれの“スッキリ聡明度”を算出したのが以下の通りである。今回もやはり、脳波の分布率から算出した数値が最もうまく精神状態を反映したようだ。
香りによる“スッキリ聡明度”の違いをExcelで算出

Excelで作成したこのグラフに、実際の測定動画と画像を揃えていつものように納品した。

限られた尺で視聴者が瞬間的に理解できるように、分かりやすいグラフに番組制作者が手直ししてくれるのも、これまたいつもの通りである。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.251 『アナと雪の女王の主題歌「Let It Go〜ありのままで〜」を聴いたときの“肯定的高揚度”を脳波測定で算出。TBS「あさチャン」からのオファーにて。』 2014.5.2


ディズニー映画「アナと雪の女王」が快進撃を続けているそうだ。が、私は全く興味が無かった。テレビで受動的に話題をチラッと見たことがあっただけだ。

この映画が日本で公開されて1ヶ月と10日ほど経った4月24日、TBSでこの春からスタートした朝の情報/報道番組「あさチャン」のディレクターから電話が掛かってきた。

松たか子さんが唄っている劇中歌「Let It Go〜ありのままで〜」が人気になっている理由を脳波測定で探りたい。YouTubeにアップされているので聴いて、感想を教えて下さい、と。

さっそく聴いてみた。素人からプロまで、老若男女が色んなバージョンで唄っていた。

すぐに分かった、これはモチベーション・ソング/アファーメーション・ソングだと。すなわち、自身を奮い立たす自分応援歌だ。

序盤は、自身の不遇を唄う。すなわち悲劇のヒロインだ。この“同質の原理”で多くの女性を引き込む。最初からイケイケドンドンだと付いていけない人が多いのだ。

その後一転して、「ありのままの・・・」と一気に心を解放して、成りたい自分を宣言していく。

・ありのままの姿見せるのよ・・・
・ありのままの自分になるの・・・
・だってもう自由よなんでもできる・・・
・どこまでやれるか自分を試したいの・・・
・そうよ変わるのよ私・・・
・ありのままで空へ風に乗って・・・
・ありのままで飛び出してみるの・・・
・花咲く氷の結晶のように輝いていたい・・・
・これでいいの自分を好きになって・・・
・これでいいの自分信じて・・・
・光、浴びながらあるきだそう・・・

こうして文字を打ち込んでいるだけでも、どんどんポジティブになる。

自己肯定(幸せ)感を得るための原則は、まず“ありのまま”の自分を受け容れることだ。これができれば90%達成と言ってもいい。後は、上の訳詞のように、色んなプラスαを彩っていく。

クライアントの自己実現をサポートする「パーソナルサポート」でも、概ねこれと同じようなステップで進めていく。

初級者のうちは、アファーメーション文を作る際には必ず「私」という一人称を入れてもらう。潜在意識に自己宣言を的確に照射するためだ。

日本語の楽曲に「私」という言葉が入ることはなかなか無いが、この歌にはしっかりと入っている。これもいい。

「ありのままの」といい、「私」といい、訳した高橋知伽江氏の大ヒットだ。

観客がこの曲に引き込まれ、ハマり、ワクワクしている気分を、私は“肯定的高揚感”と名付けた。

ロケ(脳波測定実験)日と決まった27日の前々日には、テレ朝のミュージック・ステーションにMay J.が出演して唄ったので、それを録画して何度も聴いた。

そしてロケ当日、被験者の松塚沙紀さんがお住まいの都内某所に伺った。

沙紀さんは「アナと雪の女王」のとりことなり、人生で初めてサントラCDを買ったそうだ。家族でサントラに合わせて口パク動画を作成しYouTubeにアップしておられる。

ロケ日には84万回だった再生回数が、今確認すると113万回を超えていた。アナと雪の女王「とびら開けて」<日本語> Love is an Open Door 口パク

さて、沙紀さんが「Let It Go〜ありのままで〜」を聴いているときの脳波はどうなったか。基準(何も聴いていないとき)と童謡の「桃太郎」を聴いたときの優勢率を比較したのが以下のグラフである。
アナと雪の女王を聴いたときの脳波−各脳波の優勢率

各脳波の特徴は、弊社脳波関連ポータルサイト「NOWHADAS」の豆知識コーナーに掲載している。

脳波測定の結果から“肯定的高揚度”を算出するとこのようになった。
アナと雪の女王を聴いたときの脳波−肯定的高揚度

小さくて恐縮だが、黄色のグラフが各脳波の分布率(含有率)から求めた“肯定的高揚度”だ。

基準が79.3点、「桃太郎」を聴いたときが81.4点、そして「Let It Go〜ありのままで〜」が90.4点となった。

沙紀さんはとても溌剌(はつらつ)とした女性で、基準脳波から“肯定的高揚度”は高い数値だった。それが更にアップした結果が得られた。当然と言えば当然だが、この曲が気分を肯定的に、そして高揚させていることは間違いない。

これが、多くの観客をとりこにしている理由を脳波という指標で調べてみた結果である。

歌詞で一つ気になることは、最後が「少しも寒くないわ」と印象的に終わっている点だ。

芸術的なことは分からないが、アファーメーション的には良くない。元の木阿弥だ。

「少しも寒くないわ」と言いながら寒さを思い出させている。絶対に駄目という訳でもないが、アファーメーション初級者にはやはりよろしくない。リピーターを増やすという意味では成功か?

まあ、色々なバージョンがあるようなので、自分にピッタリのものを見つけるのも楽しみだ。

今回色んなバージョンを聴いてみて、私をとりこにした「Let It Go」はこの娘の唄声だった。「Let It Go - Frozen - Connie Talbot cover」

今回オファーを下さったTBS「あさチャン」のオンエア画像は、いつものように「NOWHADAS」のテレビ出演紹介コーナーに掲載している。感謝!


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.250 『日テレ「所さんの目がテン!」からの依頼で、カピバラの癒し効果を脳波測定で検証。』 2014.4.29


3月14日、テレビ番組制作会社から電話が入った。これまでに「所さんの目がテン!」と「世界一受けたい授業」で何度かオファーを頂いている会社だ。

今回は「所さんの目がテン!」で、「カピバラの癒し効果を脳波で検証してみたい」とのことだった。

電話で実験方法を詰めていき、3月22日に実験を行った。

カピバラの他にパンダ、仔猫、ワニの映像を被験者に観てもらって、それぞれの映像再生後に閉眼安静脳波を測定した。

被験者は20代から50代までの男女8人である。

4月20日に放送された番組から画像をピックアップして、いつものように脳波関連ポータルサイト「NOWHADAS」に掲載した。

今回のレースで判定に用いた“癒やされ値”は、スローα(α1)波、ミッドα(α2)波、ファストα(α3)波、β波の平均値(電位)と分布率、優勢率の大きさとバランスから割り出したものだ。

ある被験者がカピバラの映像を観た後、実際に脳波を測定した結果をご覧頂こう。このグラフは、最も“癒やされ値”が高かった被験者の例である。
カピバラの映像を観て癒やされた人の脳波

一目瞭然、非常にリラックスしていることが分かる。こうして得られた各脳波の平均値と分布率及び優勢率を、あらかじめエクセルに用意しておいた“癒やされ値”算出式に代入しグラフを作成する。その結果が以下の通りである。
エクセルを用いた“癒やされ値”算出結果のグラフ

このように、各種動物の映像から受けた被験者の“癒やされ値”平均を比較し、その結果を私の「つぶやき」という形でコメントした。(実際には、カピバラの2パターンを測定したので計5本の棒グラフが立っている)

ここまでが私の仕事だ。

これを元に、番組が視聴者に分かりやすいグラフにブラッシュアップして放送された。

被験者が小さなモニターの映像を観ての実験だったが、それでもハッキリと動物による“癒やされ値”の違いが表れたのには正直驚いた。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.249 『日テレ「世界一受けたい授業」からのオファーで、シャワーを浴びると学習能力がアップするのかを脳波で検証。』 2014.4.1


1月に日テレ「世界一受けたい授業」から脳波測定のオファーを頂いた。シャワーを浴びた時の“頭スッキリ”感を検証したいとのこと。

ロケは1月29日、品川の新幹線がすぐ脇を通る銭湯で行われた。
ロケ現場の宮城湯

被験者には男性10名が集められていた。

シャワーを浴びると“暗記力”や“計算力”が本当にアップするのか・・・

オンエアは、3月8日(土)の午後8時ちょっと前から、いつものように始まった。3時限目「保健体育」、シャワーやお風呂を何度に設定すればそれぞれの効果を最大限に発揮できるのか、早坂信哉先生(大東文化大学准教授、温泉医科学研究所所長)の講義である。

ダイエットしたいなら 40℃で15分(10分肩までつかる、2分足首ストレッチ、2分肩ストレッチ、1分ゆっくりつかる)の入浴法。ただし、ホニャララの条件が付けられた・・・。

次に、運動や仕事の疲れを残したくないなら、お湯の温度はホニャララ℃。さらに、激しい運動で筋肉痛になりたくなければ、運動をする2日前にホニャララ℃のお風呂に入るといいと。ヒートショックプロテイン(傷ついた身体の部分を修復する万能のタンパク質)は身体を温めた2日後に急増するからだそうだ。

そしていよいよ、私が脳波測定で検証に関わった入浴法の紹介に入った。

その入浴法と脳波の結果は、いつものように脳波関連ポータルサイト「NOWHADAS」にOA画像で掲載した。

被験者から脳波解析PC画面にパンした際に、一瞬私の右手が映った。私の登場はこれだけ・・・。人生初の手タレだ!?
シャワーの前後に脳波測定。手タレの和田知浩

10人の被験者が取り組んだ暗記力と計算力のテスト結果が肯定的になったのを私も現場で目撃した。

さて脳波は・・・。43℃のシャワーを2分間浴びて、その前後の脳波に違いはあったのか?

OA画像の通り、眠気を示すθ(シータ)波は6.1が5.7に下がり、頭スッキリを示すミッドα(アルファ)波は2.8が3.8に上がった。いずれの数値も平均電位[μV]である。

早坂信哉先生曰く、「交感神経を刺激するので心身が緊張して戦闘モードに入る。頭がシャキッとして学習能力も上がる」とのこと。

OAでのこの発言を聞いて、ちょっぴり後悔した。であるならば、θ波とβ波あるいはファストα波のデータを提供すべきだったなと。後の祭りだ・・・。

相手の意図をくむコミュニケーション能力がまだまだの私である。

この後、加齢臭を消すには、ホニャララ℃で1分の朝シャワーがいいと紹介されて番組は終わった。

今回の番組制作会社から別の番組でオファーを頂き、ロケと脳波解析の提出を既に終えた。OA後にまた振り返りたいと思う。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.248 『セルシネのオールコンテンツ人気ランキング発表コーナーを新設。』 2014.2.1


2001年に「最高の自分を生きるための探検サイト!」と銘打ってHPを開設して以来、セルシネ・エイム研究所のウェブサイトをコツコツと作り続けて早13年である。

おかげで、このサイトを通じて沢山の人達との貴重な縁を得ることができた。2000年にポーンと放り出された(実際には、サラリーマン生活に嫌気が差して自らピリオドを打ったのではあるが)時にインターネットというインフラが無ければ、もしかしたら私は野垂れ死にしていたかもしれない。否、そんなことはないと思うが・・・

インターネットが当たり前の若い人達にはこの有り難さがピンと来ないかもしれないが、インターネットは最高のセーフティーネット(安全網)である。高い所から放り出されても、地面に叩き付けられるということは起こらない。

安直な船出は座礁するしかないが、自身に実力を付けているのなら必ず仕事の縁を結ぶことができる。その為の莫大な資金は必要ないのだ。だから“紐付き”にならずに済む。

この13年間に通信速度もサーバー容量も格段にアップした。決済システムも然りである。そのおかげでできるようになった弊社サービスも多い。

だがしかし、初めてセルシネのHPに来てくれた人には情報量が多すぎて、エッセンスが掴みにくくなっている。トップページに掲載している「ピックアップ・ページ」や「ピックアップ・コーナー」もあるが、これは私が伝えたい情報であり、必ずしもユーザーの目的に適うものではないかもしれない。

検索で該当ページに直接来訪される分には問題ないのだが、最近はありがたいことに、「セルシネ・エイム研究所」に興味を持ってHP(トップページ)に来てくれる人が増えている。

そこで、ユーザー視点に立ったランキング表「セルシネのオールコンテンツ人気ランキング」コーナーを新設することにした。6日前にまず10個のコンテンツを掲載し、その後精査しながら修正と追加を行い、今日ベスト32として正式に公開した。

順位は、ユーザーからの反響度(ページ来訪者数やコメント、問い合わせ、注文数、注文金額など)を重点に選出した。選出したコンテンツは商品やサービスを紹介するページであったり、YouTubeに掲載した動画やツイッターでつぶやいた一言だったりする。

この32個のコンテンツをご覧頂ければ、セルシネの“今”が浮き彫りになってくるはずである。

これからもコンテンツは増えていくが、ユーザー視点に立ったランキングの鮮度を保つよう更新していきたいと思っている。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

vol.247 『終夜睡眠脳波の測定及び評価を高性能簡易脳波測定器BrainPro「FM-929」で実現する方法。』 2014.1.8


弊社の「脳波測定サービス」をご利用下さるクライアントの中で、睡眠脳波の測定を希望されるケースは多い。

テレビ番組でも以下のようなご利用実績がある。

日本テレビ「午後は○○ おもいッきりテレビ」(2007年)の特集「夜グッスリ朝スッキリ春先に効果的な快眠法」で、間寛平さんの入眠脳波を測定。

テレビ東京「世界7大ミステリー 人体の奇跡SP」(2010年)で、ウクライナ人不眠男性の脳波を測定し、“マイクロスリープ”を特定。

テレビ東京「世界7大ミステリー人体の奇跡SP2」(2010年)で、10日間も眠り続けるイギリス人少女の脳波を測定し、クライン・レヴィン症候群の可能性を検証。

日本テレビ「所さんの目がテン!」(2011年)で、ホテルのベッドの寝心地が悪い理由を探求。

テレビ朝日「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」(2011年)で、寝つきの良くなる一番の飲み物は何かを、ホットミルクやココア、ジャスミンティーなど6種類から検証。被験者は、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔さんと玉森裕太さん。

日本テレビ「所さんの目がテン!」(2013年)で、どんな曲で目覚めるのが効果的なのかを検証。

等々である。寝具メーカーの通販番組で、入眠の瞬間を生本番で判定して欲しいという依頼もあった。ただ、この件はお断りした。入眠を「今まさにココ」とリアルタイムに判定するのはとても難しいのだ。バラエティなら勢いでやってしまうが、通販番組で判定するのは自重した。

医療現場などで睡眠深度を計測する場合は、ポリソムノグラフィ(脳波の他、眼球運動や顎の筋電図を同時に測定)によって総合的に判定するのだが、本稿では、高性能簡易脳波測定器BrainPro「FM-929」を用いて判定する手順を紹介したいと思う。

脳波測定器BrainPro「FM-929」に付属している脳波解析PCソフト「パルラックスF」の最長測定時間は100分のため終夜脳波測定には適さない。よって、オプションの脳波解析PCソフト「パルラックス・プロ」で終夜脳波を測定(最長10時間の連続測定が可能)し、得られた脳波データを「パルラックスF」形式に裏技で変換し、分布グラフで再生する。

分布グラフの横軸は周波数で、一番左の3.0Hzから一番右の30.0Hzまで0.5Hz刻みである。縦軸は時間で、上から下方向が時間の流れで、1フレーム3分間で1秒刻み。ただし、ここでの例示は複数の終夜脳波が混在しているので、各画像の時間はバラバラだ。

@.就寝の準備を整えた後にテレビを観ている時。β波が出現し、ノイズ混入(ノイズ混入のため表示をキャンセルした黒い部分)も大きい状態。
終夜睡眠脳波−覚醒時

A.目を閉じて睡眠態勢に入った時。α波が優勢だがβ波もまだ出現している。
終夜睡眠脳波−閉眼安静時

B.α波の優勢が消え、β波も沈静化し、入眠した状態。
終夜睡眠脳波−入眠時

C.β波はほぼ閾値以下となり、θ波からδ波へ優勢脳波が変わりつつある。徐波(θ波やδ波)側が断続的に黒くなっている箇所は、更に遅いスローδ波が優勢になっている。このことは、パルラックス・プロの原波形を見ることで直感的に知ることができる。
終夜睡眠脳波−中程度の睡眠

D.β波は完全に閾値以下となり、断続的に3Hzから14Hzの脳波も閾値以下になる頻度が更に増している。スローδ波が強く出ているが、パルラックスFではそれを表示できないのが残念である。
終夜睡眠脳波−深い睡眠

E.Dと同程度の深い睡眠状態だがファストα波も強く出ている。断続的に意識があるので被験者本人は眠れていないと感じる。いわゆる不眠症の一つであるが、断続的な黒い部分では深い睡眠と同じであり生理的睡眠は取れている。このような睡眠をマイクロスリープと呼ぶこともある。
終夜睡眠脳波−マイクロスリープ

F.終夜睡眠脳波の測定開始から45分間のデータ。被験者は不眠症で悩んでいるが、この日は昼間に運動し、寝付きは割と良かったとの自己評価。
終夜睡眠脳波−測定開始から45分間

1. 1分20秒辺りで閉眼。
2. 閉眼後から入眠までの時間はα波が優勢となるが、初めての脳波測定の緊張感からかα波優勢が断続的となった。
3. 10分20秒辺りで継続した「浅い睡眠」ステージに。
4. 26分50秒辺りから「深い睡眠」ステージに。
5. 42分00秒辺りで1回目の「深い睡眠」が終了。
6. 42分00秒辺り以降はθ波が比較的優勢だが、REM睡眠ではα波やスローβ波が優勢になる。

脳波解析PCソフト「パルラックスF」は、100分間のデータを取り込み表示できるが、フレームは3分間分しかないため、スクロールしてその前後を表示する仕様。この分布グラフは画像編集ソフトで画像を繋いだものである。


以上の通り、概ねA〜Dの睡眠ステージを30分から2時間ほど掛けて繰り返す。いわゆる「90分サイクル」と言われるものであるが、体調等により流動性が高い。

紹介した分布グラフの原寸大画像を「高性能簡易脳波測定器BrainPro『FM-929』で測定した終夜脳波の分布グラフ例」に掲載した。


正式にはδ波やθ波、α波、β波などの常在脳波の比率で睡眠深度を評価するのであるが、私はそのようなことはしない。

それよりも、この分布グラフをプリントアウトして、睡眠脳波ステージの変化リズムを俯瞰的に把握するようにしている。画面上では分かり難いかもしれないが、実際には睡眠ステージの切り替わりが手に取るように分かる。
終夜睡眠脳波−プリントアウト比較

ただやはりリアルタイムにステージの切り替わりを断定するのは難しい。少なくとも数分は欲しいところなのである。

このようにして「入眠までの所要時間」、「ノンレム睡眠からレム睡眠のサイクル」、「各ステージの所要時間」、「中途覚醒の有無」、「覚醒のタイミング」などを浮き彫りにして、睡眠の質を評価するのである。

測定器に付属しているカチューシャ型の脳波センサーは終夜脳波の測定には不向きである。枕などに当たってセンサーが浮いてしまったり、カチューシャ型の締め付けにより安眠を妨害してしまう。

そこで利便性を発揮するのが万能脳波センサー「エンフレック」である。

「エンフレック」のアイデアは大学や企業の研究機関からもご好評を頂き、脳波測定器メーカーもオプションとして商品化した。セルシネでは、脳波測定器をご購入頂く際に特典品として無料でお付けしている。

先日も、睡眠の質を高めるというサプリメントの効果を検証するための脳波測定依頼を頂いた。数週間後にはテレビの通販番組で紹介されるそうだ。首尾良くOAが決まれば改めて報告したい。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩


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