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Lesson10.ちょっと辛い好転反応、でもその先に・・・
メルマガ「何となく体調不良のまま人生送るんですか?」 vol14  2003.8.4  配信  より (改訂版) 2006.4.24 upload
これまでのレッスンで解説してきたメソッドを実践すると、コアセルフが確実にブラッシュアップ(磨き上げ)されてきます。そして、ブラッシュアップが更に進むと、コアセルフのグレードアップ(格上げ)につながります。このように、コアセルフの在り方が成長に転じたり、その成長が加速されることを「好転」といいます。好転というと聞こえが良いのですが(事実、良いことなのですが)、体験する身になると少し辛いものがあります。このレッスンでは、コアセルフが成長に転じたり、その成長を加速させる好転ポイントで心身に起こってくる反応、すなわち「好転反応」について解説し、これに対する心構えを形成して欲しいと思います。

コアセルフが「身体、感情、頭脳」を脱ぐとき、その直前にそれらが徹底的に意識化されるということを以前のレッスンで述べました。これは丁度、甲殻(コウカク)類や昆虫が、成長するにつれて堅い皮(クチクラ層)を脱皮するのに似ています。例えば、蛇が脱皮するとき、その直前には少し窮屈な思いをしているはずです。コアセルフが成長するときにも同じように、古くなった「身体、感情、頭脳」から窮屈感、倦怠感、イライラ感、ムズムズ感、ゴチャゴチャ感のようなものを感じる場合があります。これが好転反応です。好転反応は、コアセルフが成長するときに、「身体、感情、頭脳」もそれに見合ったグレードへと成長しようとするために起こる反応なのです。ですから、いわゆる副作用とは別のものです。副作用とは、薬品などが治療の目的以外の対象に及ぼしてしまう作用のことをいいます。しかし、好転反応は、目的の対象そのものに直接働きかけているときに出る症状なのです。

それでは、好転反応の症状を具体的にみてみましょう。
心身のリラクセーションが進む、あるいは自然治癒力(自己治癒力)が活性化すると、まるでゼンマイが解放するように、振動しながらストレスや毒素を解放していきます。顔の筋肉がピクピクしたり、蟻走感(肌を蟻が這っているようなムズムズ感)を味わったり、それまでは(不体感症に陥っていたために)感じていなかった肩凝りに襲われたりと、好転反応の出方は様々です。(コラム:「様々な好転反応」

ストレスに苦しんで来社されるクライアントの中には、そのストレスが大きすぎて、一筋縄のカウンセリングでは解決が難しいケースがあります。例えば、 日常的に感情を外に表現することを抑えているクライアントは、顔の表情筋が硬くなっていて、無表情であったり、こわばったり、ゆがんだりしています。他にも例えば、「良い人」の側面が強すぎる“過剰適応”する人は、他人の期待に準じた「アクション/リアクション」を選択してしまう傾向にあります。そのために、表情は一見豊かであるものの、前者と同じように大きなストレスを溜め込んでしまっています。抑え込んだ自分の本心(感情)は、“マグマ溜まり”のように潜在意識に蓄えられていきます。そして、本人が「出すべきでない」と思っているそれらの感情は、潜在意識の中でどんどん成長していきますから、それを抑え込むための壁もかなり厚くなっているのです。

このようなケースでは、既に以前のレッスンで解説した「情報循環モデル」を踏まえて、クライアントの情報循環パターンを改善していくことが根本的解決につながります。しかし、感情の表出を阻む壁とその結果溜まったストレスがあまりにも大きい場合は、クライアント側に、それに取り組む余裕がありません。ですから、クライアントがもっと受け身でも行え、且つ直面している症状をひとまず解消できるメソッドが求められるのです。

この課題を満たすべくメソッドの開発を進めているときに、縁あってある特殊な装置を紹介されて体験しました。そして、不覚にも私自身が自律神経系の好転反応を発症したのです。この装置は一見とても簡単な物で、小さなハンマーの先が温度調節できるようになっていました。そのハンマーで、裸になった上半身をくまなくトントンと軽く叩かれただけです。人によっては、痛く感じたり熱く感じたりすることがあると説明を受けました。しかし、そのときの私の感想は言わずもがなです。ところがその日の夜、就寝しているときに苦しい夢を見ました。両手で背中をギューッと押されるのです。それは息をすることもできない程の強さです。その苦しさで夢から覚めても、なおも背中を強く押されるような苦しさが続きました。そして、寝ぼけながらもやっと、横向きの姿勢で寝ると背中の苦しさがないことに気づいて、再び入眠することができました。驚いたことに、翌朝目覚めたときには、煙突のすすが取り払われたようにとても身体がすっきりとしていました。

装置の開発者によると、この施術で自律神経系が賦活(フカツ:活性化すること)し、滞っていた毒素が堰を切ったように排泄されるのだそうです。冒頭でも述べたとおり、好転反応は良いことなのですが辛い体験です。ですから実際には、クライアントの様子を見ながら数回から数十回に分けて少しずつストレスを解放していくのです。(コラム:「私が体験したもう一つの好転反応」

心身は密接に連動していますから、感情を抑え込んでしまっているクライアントにも、この方法はとても有効です。サポーターとの対話にストレスを感じることもなく、何も考えずに横になって施術を受けるだけで、自律神経系が賦活して、溜まったストレスを押し流します。ただし、抑え込まれていた感情が潜在意識から顕在意識に解放されて意識化される訳ですから、本人にとっては嬉しくない体験です。怒りや悲しみがどんどんわき出て、それをコントロールすることができないという場面もあるかもしれません。サポーターからすると、クライアントにそのような症状が出始めたとき、ストレスを解放するポイントを探り当てたことになります。後は、クライアントの過剰な負担にならないように、そのポイントを刺激して過剰ストレスを徐々に抜いていきます。そのときにクライアントが努めることは、わき出る感情に振り回されないことです。 たとえそれが不愉快なものであっても、それを抑え込んだり否定したりしてはいけません。あるがまま起こるがままに任せて、不快な感情がわかなくなるまでただただ流し、マイナスの感情を全て流しきるのです。そうすると、
あるときそれらの症状が自然に消え失せ、とても静かで、感覚も研ぎ澄まされた、今までに経験したことのないような晴ればれとした心の状態を獲得します。

繰り返しますが、好転反応は辛い体験です。しかし、溜まり続けるストレスを放っておくと、潜在意識の壁や緊張した筋肉は、大きく成長するストレスのエネルギーにいずれは耐えきれなくなって吹き飛ばされてしまいます。そうなると、例えば表情筋の活動が停止して本当の無表情になり、完全な無気力状態に陥ってしまいます。限界まで耐えて耐えてその後“プッツン”となる前に、本当の自分を活かした人生を送るべきです。コルパーは、過剰ストレスを解放して、フレッシュな「身体、感情、頭脳」を保つための方法を体得して実践しています。


注釈:本レッスンで解説した好転反応を、「自律性の解放」とか「瞑眩(メンケン、メイゲン)反応」、「代謝反応」、「ヒーリングクライシス」などと呼ぶ場合もあります。また、蓄積したストレスが小さい場合や徐々にストレスを解放した場合は、好転反応を感じずに済む場合もあります。



基本問題 応用課題

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